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パニエ


叶えられないわがままでもいいでしょう
しんじて祈れる

どうか かみさまの失敗作だなんていわずにいてね
春になれば芽吹くと
まだしんじていられるから


かさねたいくつものひみつ
かさなりあう手
ふわふわのスカートの中には
たしかにあったうそとほんと

どうか かみさまの上なんて在らないでいてね
わたしに花は咲くと
まだ憶えていられるから


あまくかさなって
せつなくすっぱいなみだでおわるなら

何層にもまだ重ねたい


祈るための種も
ねがうための明日も
咲くための春も

わたしにまぶしく
わらっていてくれるの

てばなしたりしないでいてね

両足


跪いて
駆け出して
みつめて
繰り返した
ここから飛び立てば
堕ちれるよね?
帰る場所は
いらないから
彷徨っている空間
両手をついて
わたし
堕ちれるよね?
あなたが背中を
押してくれたって
構わないから
儚いものだけを
憶えていてね
千切れてしまえばいい

無傷


傷だらけの あなたは 無傷
夢の中 ささやいたように どうか
わたしの 真実を おしえて

千千に傷ついたあなたは
それでも無傷

どうして みえない?
光は 闇に 消え
傷も なみだも かくしてくれた

いとしい闇 あなたの
声だけが こだまする

うごかない その瞳が 真実だと
理解したとき
うごかないはずの 現は
動きだしたの

傷だらけの 無傷なあなた
わたしの声は 響かずに
堕ちてゆく 闇

唯一の 傷が 原罪だとすれば
わたしは あなたのように
無傷なまま ゆるされるの?

きれいなまま 終れるの?

幻蝶 -げんちょう-





両手いっぱいの血の固まりから
何か得体の知れないものが生れる
そんな妄想が頭から離れない

耳鳴りは大きく 小さく
地面は揺れている

哀しみが
縺れて 腐って
ひび割れてゆくように

頭が割れそうに痛いわ

赤黒い固まりから生れたものは

とても美しい蝶々


わたしを何処か遠くへ
連れ去ってくれるような羽ばたき

虚ろな瞳に映る蝶々は
わたしの視線から眼球に飛び込み
脳内へと侵入して
血液ごと
痛みも 苦痛も 記憶も 感情も
総てを吸い取った

わたしを何処へ連れてゆくの?
わたしは此処にしか居られないわ
わたしは飛べない
羽ばたけないの
羽根さえないから

しっとりとした黒の羽根
左右対称に一つずつ光る
赤い斑点

羽音に交じる声
わたしを導く

左耳から
羽音がする
恐怖心を奪い去って
這うように響く頭痛

こっちを向いて
わたしを呼んでる…
赤い眼が
わたしを誘い込む

羽音に交じる声が
だんだんと消えてゆく
羽音だけが耳に響く

聞こえない…
聞こえないわ
たくさんの羽音が重なり合って
聞こえないわ

そっと包み込むように手を伸ばした

蝶々は腐り落ちるように
二つに別れ
二匹の蝶々になった

絡まり合いながら飛ぶ蝶々
羽音に誘われて
わたしは走っていた

羽音の耳鳴りが急に激しくなり
目を見開いた
何千匹という蝶々たちが
目の前でいっせいに舞っている

わたしが其処から一歩踏み出すと
穢らわしい音が生れ
蝶々たちがみんな落ちていった

その瞬間
頭痛と耳鳴りは消えた

必死になって掻き集めるのに
拾い集める前にすぐ消えてゆく

最後に残った一匹は
銀の針で刺されて
ぴくりとも動かない

泣き叫んだとき
頭痛がまた戻るのを感じた

銀の針で処刑された蝶々は
目の前でみるみる腐ってゆく
遺ったのは
赤黒く変色した血液の固まり



遠くにまだいるわ
あそこに一匹
其処にも一匹

両手を広げて駆け出した





そして堕ちた


飛び出した脳から
流れた血から
次々と現れた蝶々たちが
それを腐らせていった

R o s e m a r y ***


右も左もいらない
そのままの波紋で

同じものになりたい

かさねあう傷
響きあう声

哀しみこそ証

絶望を死に
痛みを糧に
過去を生贄に

捧げてもすべて偽物だから

此の侭
枯れてゆくとしても尚

あなたそっくりの
この傷は
傷のままで。

想い出は
幼いままで。

white lie


真実へゆくために塗り重ねた嘘は
ゆらりとかすかにゆらめいて

つたえようとするあなたのように
瞬いて この手をさしのべようと
 嘘は嘘


疲れ切ってねむりたいのに
わたしをみちびくひかり

つかれているの ?

ねむったふりで
たりないくらいの刺をほしがるみたいに
 白い嘘


おおきなおおきな
くすぐったいきもち
指から伝わればいいと
 嘘はうそ


+--+ 幼い傷跡 +--+


手首に残る傷跡は
切ったようにも
抉ったようにもみえて
それでも
この傷跡たちが腫れあがるとき
強く強く愛していた

この痛みが 傷が
消えて 癒えて
失くしてしまったとしたら
どうやって笑えばいい?
わたしはどうやって
足元を見ずに
あなただけを見つめられるの?

あのときのあざが消えてしまったように
傷跡は切なく悲鳴をあげて
わたしはあなたを失ってしまう

どうしてあざは消えてしまったの?
どうしてわたしを助けてはくれないの?
どうして幼い傷跡までが
わたしを置き去りにして
死んでしまうの?

血を滴らせたまま想いたい
幼い自分を抱いて
その小さな手に
大きくなってしまったこの手をあわせて
泣き叫びたい

もう戻らないものを
この手首に刻もう

気付いたのは
それだけのこと

幼い左手に刻まれていたものは
未来への旋律

--- 夕日 ---


交互に浮かぶ衝動
使えない頭は傷み
何にもなれない日々

いつの間にか
空は燃え上がり
終りを告げる

愛された腕と
誓いを叩きつけて

私はもう
ここへ戻らない

縛り付けた過去も
あなたの視線も
焼け付くように痛む喉から
吐き出された血と共に

愛されない
誰にも

愛されたい
深く堕ちるように

致死遺伝子


呼び醒まされた鼓動に
始まりの流動

神の啓示に依り
芽吹くものを踏み躙る

貴方と私は
交わらぬ環

存在するために存在することさえ赦されず
生れ出ることさえできず
外界さえ知らぬ愛は

ふたりだけの揺り籠にゆられ
血塗れのまま
腐敗する

怖れることなく
抹消される

貫く痛みさえ
ただ腐臭を放ちながら

Good time


おくられたメッセージ
誰にほんとは逢いたかったの?

どうして目をふせてあげないの
誰がその目をふせてあげられたとゆうの

目を閉じて
静けさの中で

わたしにくれた優しさも
痛みも

ゆれるたましい

全部還して目醒めるなら
こんなに離れることはなかったのに。


祈り、
唱える人々

嘆くのはどれくらい
ゆびで足りるとゆうの

だから叫んでも
うたってみても
届かないなら

わたしにおしえてくれた
あたたかさも
ひみつも

まもれたら
こぼれても

そばにいられたのに。


おねがい
きこえる?
呼んで
わたしを

ねぇ
おしえて
いつか


どうか
紡いでとどいたら

もどれるのでしょう?


たすけて
おしえて
わたしを

つれてってくれるんでしょ?


きいて
みて

わたしを
つれてってほしいの

どうかおねがい
目をさまして。

七色幻想 なないろげんそう


さかさまのにじが
わたしをよびさます

いろとりどりの
まぼろしの果てへ



わたしをここへ引き連れた
あの光は
空を紫に変えるまえに
あまりにも美しい
補色をあたえた

赤いキャンディをもってあるく
崩れそうな砂のお城
たどりついたエデンには
金色のりんごなんかない

グリーン・パイをあげる 狂ったように踊りだすうさぎ

無意識の中に漂う
青い記憶

水たまりにうつるのは
いつかのゆめのひよこさん


さかさまのゆめから
まだぬけだせずに
もがいているわたし

すくい上げるうでは
まっかなまっかな
憎しみであふれてる



両手をひろげたそらには
はじめてこの目に焼きつく幻日

あのまぼろしたちは
まだきえずにいる

まだぬけだせないわたしを
ただそこに存在するだけで

いとしくいとしく
わたしに滲む

・・・Counted・・・


過去の傷から
滴り落ちるしずくを
指折り数えて
涙に変えて

こころについた
染みをみつめて
過去の傷を知って

でもいまは
明日を見つけて
明日のかけらを
拾い集めて

わすれていこう
過去の傷を


過去の思い出
滴り落ちるなみだを
血に染めてゆく

こころについて
消えない跡
傷の数はいくつ?

でもいまは
明日を見つけて
明日のかけらを
拾い集めて

わすれるのね

過去の傷を

愛してゆくのね

優しい傷跡を...

…Sweet+Dream…


舞い散った花びら
拾い集めて
哀しみにキス

なつかしいあのきおく
なぜかとても
愛しい傷跡。

触れていたあの時
目を閉じたら
目覚めたときに
あなたがいることを
ずっと想ってた

舞い散った羽根を
拾い集めて
悲しみにキス

夢のあとに訪れ
消えてゆくの
愛しい幻想。

触れていたかったよ
今はもう
目覚めたらなみだ

あなたがいること
信じてた
強く 強く
信じてた。
拾い集めた過去を
一気にばらまいた

明日からは
もう夢から覚めはしない

あなたがいなくて
悲しくて哀しくて
だから
もっと長くて愛しい夢を
見続けてゆく。

夢の中で
逢おうね。。

::: Candy pop :::


手渡されたキャンディを片手に歩いた
ゆられるままに歌うわたしを
みまもる誰かの目の中に
泣いてるわたしがみえる

あまいかおりに
せつなささえこみあげて
わたしはただ
立ち尽くす

落としてしまったキャンディを拾う誰かの瞳に
それは狂気として映り
過去を彩る記憶たちを消した

わたしは吊された愛をみて
そのキャンディをたべてしまったの

音を失っても消えないあの記憶に
なぜか耳鳴りが重なる
無邪気にはしゃぐわたしの手には
あたらしいキャンディ

あなたがくれた
あたらしいキャンディ

鏡花水月


翳る月 夜空はまっくらになるの

わたしも三日月みたいに目を閉じて
くらい幻を見る

脆くてきれいなお花
崩れおちる前に
月の下で目覚めて。

どんなものよりも紅い わたしの花

翳る月の下で
安らかに――――


離れるの わたしは目を閉ざすの
心も 脆い花みたいに影をおとし
夢をみた

脆くて淡い夢
割れてしまう前に
鏡に映して。

どんなものより淡い
わたしの夢

わたしは
幻をみた

i n n o c e n c e


   おかしは
   あまくて
   はなは
   さけて
   おちちゃう
   はちみつみたいに
   つれだしてくれないなら
   ちょうだい?

   ゆめみたい
   ばら
   とげが
   つぼみに
   だけど芽を
   つんじゃうから
   いらない

   つれだしてほしいのに
   まよいは
   わたしの
   まわり
   まわりまわって
   どこへとどくの?

   ちょーだい


   あたまのなか
   ゆれるはな
   かぜはつめたくて
   さようならもできなくて

   あなたをおぼえても
   あのひとをわすれるくらい
   おちてしまうのは
   とめられない

   わたしがいらなくてはきだすのは
   みつなんかじゃないの

   あたしをとめて
   ちょうだい?